悪態ハレンチ雨男芋女

日々の感じたこと

木屋町小唄①

し〜らな〜い〜ま〜あぁ〜ち〜を〜♪

そんな歌を頭の中で歌ってたりします。

ふと思った事ないですか?

旅に出たい!

誰も知らない所に住んでみたい!って。

て事で、やってまいりました京都。

河原町のウィークリーアパートに住んで2日目になります。

昨日はバタバタと引越ししてたので、今日はのんびり木屋町辺りに飲みに行こうと家を出たのですが、当たり前のように道が分からない。

まぁ、急いでやる事も無いので京都の小道を風の吹く方、吹く方と歩けば、看板の灯はついてないが、何やら面白そうな店名がちらほら。

『ニューパラダイス』 実に良い。

楽園とな、しかも新しい楽園。

『スナックぬこ』 ぬこ?

猫の事かな?

『barパンタロン』 語呂が良い。

店員がパンタロン履いてるか気になる。

看板を眺めながら夕方の京都散歩。

そんな事しながら楽しんでると、ちょうど夜営業の看板を出してる娘さんと目が合う。

目があったはず、いや、合わせる。

必殺の《初めて来た町でどのお店に入ろうか迷ってる気の良い旅人の図》になる。

だいたいこれで話しかけてくる筈なんだが、、

こない。

いやまて、まだ焦る場面では無い!

ここは次の作戦《外に置いてあるお店のメニューを指さす》そして「美味しそう」と呟く。

これでどうだ!

敵は不思議そうな顔をしている。

やばい、これでは変質者ではないかっ!

斯くなる上は看板をさしてた指をゆっくり前に突き出し「1人ですが‥」

娘「どうぞ、いらっしゃいませ!」

負けたっぽくもあるが目的は達成された、これはイーブンだな。

なんなら勝ったまである。

ふんすと鼻を鳴らし店内に入る。

カウンター6席のテーブル1つ、こじんまりした《おばんざい》。

実に良い。

ここはやはり瓶ビールを注文する。

ド定番!

ビール♪ ビール♪ ビール♪

よく分からないリズムに合わせて自作の曲《ビール ザ アンビシャス》を頭の中で流しながら店内を見渡す。

決してキョロキョロしてはいけない、あくまでポーカーフェイスだ。

ほぅ、メニューが無い。

メニューがない‥

カウンター上にはおばんざいが美味しそうに大皿で並んでいる。

あるね。

うん、たまにあるねメニューの無いお店。

大皿を見たとて何が何だか分からない私は頭をフル回転する。

《入店の義にて勝利を納めた私が今更料理の名前が分からないとか、ましてや間違える!そんな事があって良いのだろうか!》

うん、良いな。食べたいの食べよ。

娘「お待たせしましたー」

瓶ビールを受け取りながら、大皿の1つを指差し注文してみる。

この白菜の煮物みたいなやつ下さい。

娘「白菜タイタンですね」

ハクサイタイタン。

なんだか強そうだなおい。

それを下さい。

それとこっちのヒジキが入ったやつも。

娘「ヒジキですね」

そこはヒジキなんだ。

料理はどれも美味しくて、娘さんとの話も楽しくついつい長居してしまう。

常連さんもちらほらビールもすすみ冷酒を楽しみだした頃。

常連さんが娘に言う、店内の黒板出てないよと。

娘「メニュー出すの忘れてました」

ですよね、外にメニューあったもん。

そんなユルさが心地良さなんだなと思いながら酔っ払う。なぜか娘も酔っ払う。

常連さん達も盛り上がり何故か初めて来た祝いで奢って貰う。そして返盃。

店内も忙しくなりだし、また来る事を心に決めお店を後にする。

あ〜、実に良い。

右へフラフラ〜 左へフラフラ〜

 

次回に続く。