悪態ハレンチ雨男芋女

日々の感じたこと

この女の化粧も同じようなもんだ

夜明け間際の吉野屋では

化粧のはげかけたシティ・ガールと

ベィビィ・フェイスの狼たち肘をついて眠る

中島みゆきの名曲『狼になりたい』の歌詞です。

深夜の牛丼チェーン店で酔っ払いがぼやいてるような歌詞なんですが、私のようなおっさん会社員が聴くと胸の奥が焼けるような何とも言えない感覚になります。

この登場人物の男が普段はどんな生活してるか知らないけど、おそらく規律正しく社会に順応した生活をしてるのでしょう。

でもたまに深夜まで遊んで、始発待ちのせいか急に降ってきた雨のせいか牛丼チェーン店に辿り着き周りを見るとそこには、昼に会えば同じようにちゃんと社会生活を送ってるけど今はグダグダな人達が普通に存在する。

本当は社会に飼い慣らされた犬じゃなくて自由に生きる野生の狼になりたいんだけど、やっぱり自分も周りと一緒のその他大勢。

そんな事ないと「向かいの席のおやじ見苦しいね」とか、唐突に「兄ィ 俺の分早く作れよ そいつよりこっちのが先だぜ」とか「ビールはまだかぁー」とか毒付くけど、それすら小物感を助長します。

私がこの歌詞を初めて聴いたのは学生時代でした。

当時は何も思わなかったんですが、おっさんになって聴くと、夢なんかはもう枯れて目の前のタスクだけをこなす社会の歯車、生きてく為だけに働く日常が日の出と共にやってくる時の恐怖と絶望、そんな生活から逃げたいのにすっかり飼い慣らされてる現実、たまに酔っ払って憂さ晴らししてる小市民感。

そんなんじゃねーと思えば思うほど誤魔化してるような気持ちが押し寄せてきます。

まぁ、そんな気持ちで呑むお酒も美味しくて好きなんですがね。

私は動物占いがタヌキなので狼なんて到底なれないですがビールは下さい。

「ビールはまだかぁ!」